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続々・大塚家具(配当の考察)

2015年03月07日
委任状争奪戦が、2nd ステージに突入です。面白くなってきたので、もう少し考察を加えてみることにしました。

私も、上場企業で中期経営計画を策定してきましたので、こういった財務分析や、会社リリースから透けて見える数字を読み解くのが大好きです。あくまで、株式投資をする上で、会社の発表する内容に対して、どういう考察を加えるかという視点で参考になればと思い載せることにしました。買い煽りや売り煽りではなく、私のブログを見て下さっている方の、投資スキルの向上につながれば幸甚です。

さて、メディア筋(リンク)によると、昨日、父、会長・勝之氏から株主宛に新提案とともに委任状が送付されたそうです。新提案の内容は、2015年12月期より3年間、現在の1株40円配当から3倍の120円にするというもの。(ちなみに、現在の会社側中計(リンク)では、1株80円配当を3年間継続)

大塚家具 父新提案


これを踏まえて、ここまでの情報を整理してみます。まず、会社側。

会社側提案当初


会社側の考えていると思われる内容です。ポイントは、配当総額が3年間で37億円(青セル)ということ。2017年末時のROEが、4.2%と想定していること。(表上の赤字は、筆者の独自推計です。)

次に、父・会長の株主提案。

大塚家具 父新提案財務


メディア情報によると、配当総額が3年間で52億円(青セル)ということ。2017年末時のROEが、4.6%と想定していること。当期純利益の額を現在の会社提案に対して、若干上乗せして見栄えを良くしていること。

2つを比較してみると、ROEははっきり言って大差なし(単なるPLの前提の違い)。やはり大きな差は、配当金額の差であり、これは、個人株主の動向を左右する最もわかりやすく、最も影響力のある数値ということです。(経営方針の違いは、ここでは横に置いておきます。)

今回の委任状争奪戦では、個人株主がどちらを支持するかによって決定しそうです。個人株主は、配当を多くもらえた方が良いのは明白ですので、配当金の額で決着がつきそうです。昨日発送された株主総会召集通知(リンク)には、父方の経営陣選任の株主提案が記載されていますが、1株120円の経営方針については記載されていません。株主提案が可決後の公約という扱いです。

さて、父方が配当額を120円に引き上げたことよって、現経営陣が、少なくとも同じ120円配当へ引き上げるのは容易に想像されます。個人株主は、配当が同額であれば、現経営陣を支持する傾向が高いそうです。現経営陣(娘方)は、勝利を確実にしたいのであれば、配当をさらに上乗せすることも考えているかもしれません。というより、聡明な大塚久美子社長ですから、父方が配当を120円とすることは想定内だと私は考えています。余剰キャッシュの額や、有価証券の額を考慮しても、80円配当(2倍)は全く無理ではありませんし、120円配当(3倍)でも無理ではありません。むしろ、株主の観点からは、ようやくまともに資本効率の向上に動き出したかという見方をするでしょう。

ここで、では、さらに配当の上乗せが可能なのか?という観点で考えてみます。4倍の1株160円配当は可能でしょうか?

大塚家具 会社新提案財務


数字を打ち替えてみましたが、可能です。というか、余裕で可能です。前回の日記(リンク)にも書きましたが、キャッシュフローの推移と、期末利益剰余金(配当原資)の額280億円、期末現金115億円、投資有価証券71億円を見れば歴然です。社長の言う、将来の大型3店舗の出店にも、全く問題ありません。借入をする余裕も十分すぎるくらいあります。

さて、今後は、現経営陣が、新たに株主宛に委任状とともに、新たな配当案を提示することが想定されます。おそらく想定内でしょうから、120~160円のどこかということになるのではないでしょうか。そもそも80円配当というのは、今までの2倍と言うことでインパクトのある提案でしたが、財務諸表を見る限りは、余力を残し過ぎた提案です。こういう事態を想定していたと考えられる数字でもあります。

個人的には、資本効率の改善(ROEの向上)という観点からは、どちらの提案も企業価値を上げる好ましいものと考えています。決して会社の財務基盤を破壊させるようなレベルのもの(どっかのゴルフ会社でありましたね…)では全然ありません。

さぁ、来週からは展開が楽しみですね。 27日の株主総会まであと3週間。ドラマがありますかね。

<上記は全て、筆者個人の想定です。また、メディア情報を元に限られたデータで試算していますので、内容を保証するものではありません。投資は全て自己責任、ご自身の判断でよろしくお願いします。本文を見て売買されても、当方は一切責任を負いません。>

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